- 投稿日:2023年08月07日
- カテゴリ:声を上げよう
緑の党会員のA.Niwaさんが、今月も小牧脱原発パレードでスピーチしました。
沸騰する地球
連日うだるような暑さです。原因は乾燥したチベット高気圧が太平洋高気圧の上に覆いかぶさった結果です。
ヨーロッパではサハラ砂漠の高気圧が地中海をまたいでヨーロッパ南部を覆いました。スペイン、イタリア、フランス、ギリシャは40度超え。さらに、アメリカのデスバレーは54度、中国トルファン盆地は52度、フロリダ沖の海水温度は38度を記録しました。
アメリカNASAの研究者ギャビン・シュミットさんによれば、今年7月の暑さは数千年ぶりの暑さです。欧州のコペルニクス気象変動サービスによれば、この暑さは12万年前の間氷期以来の暑さであるということです。地球温暖化の影響であることは間違いありません。国連のグテーレス事務総長は温暖化ではなく、沸騰化の時代が始まったとして、「G20による野心的な新たな二酸化炭素排出削減目標が必要である」と訴えました。
エネルギー消費の小さな社会につくり変える以外に解決策はない
豪雨災害のたびに膨大な災害ゴミが出ます。この災害ゴミとは何でしょうか。私たちは大量のエネルギーを消費し、過剰な消費物を日々作り続けてきました。そしてその消費物を大量に破棄しています。経済成長として測られる私たちの豊かさの正体は、作り、壊し、そして破棄される消費物です。豪雨による災害ゴミは、私たちが目指してきた豊かさの正体を可視化してくれているのです。
この豪雨災害を私たちの大量消費社会を見直す契機とせねばなりません。温暖化をくい止めるには、私たちの社会を原発に頼らない、エネルギー消費の小さな社会につくり変える以外に解決策はありません。
外貨準備が底をついたとき、私たちは食べられなくなる
さて私たちの食料が危機にあります。19日、ウクライナがロシアのクリミア大橋を爆破、ロシアは報復としてウクライナの穀物倉庫を攻撃、黒海へのウクライナの穀物輸送ルートを封鎖しました。小麦など穀物価格のさらなる高騰が予想されます。
こうしたなか日本の経済にも大きな変化がありました。28日、日銀は金融政策決定会合において、長期金利の上限を事実上1%に引き上げました。金利を上げなければ、日本の国債を誰も買わなくなってしまったということです。
2022年度の消費者物価指数は前年度比3%上昇しているにもかかわらず、日銀はいまだに2%の物価上昇目標を掲げたままです。つまり、金融緩和の本当の目的は、財政規律を無視した国債の発行・財政ファイナンスです。このことは経済学者野口悠紀雄さんも指摘しているところです。
金利が上がれば、人は低い金利の定期を解約し、高い金利で新たな定期を契約します。国債も同じです。投資家は低い金利の国債を売って、新たに高い金利の国債を購入することになります。つまり日本国債は売られ、価値が低下します。
まだしばらくは大丈夫ですが、貿易赤字が続き外貨準備が底をついたとき、私たちは食べられなくなってしまうかもしれません。
戦争が起きる前に食べられなくなっても不思議ではない
同じく28日、厚生労働省の中央最低賃金審議会は最低賃金を全国平均で時給1002円に決定しました。愛知県は1027円です。健康で文化的な暮らしを営むためにはとても足りない額ですが、今の日本経済の実力を反映しているともいえます。
物価高騰に国民からは悲鳴があがっていますが、アベノミクスの失敗の結果であることは明らかです。これをコロナの影響だから仕方ないとか、ウクライナの戦争が起きたのでしょうがないと諦め、言い訳をすることは間違いです。
日本はこれまで貿易立国として、世界と競争しながらやってきました。しかしこれからは食料自給国として、世界と競争しなくてもよい国を目指すべきです。
軍事費の増強などもっての外、戦争が起きる前に本当に食べられなくなっても不思議ではありません。
土地と海が放射能で汚染されたならば、私たちの健康はない
さて原発ですが、28日、関西電力は運転開始から49年目となる、高浜原発1号機を再稼働させました。新規制基準に合格した原発は17基ありますが、そのうち11基が稼働していることになります。
最後に良いニュースを一つ。8月3日、薩摩川内市において、川内原発運転延長の是非を問う県民投票条例制定のための署名が、請求に必要な約2万7千筆を超えて集まりました。明日7日、選挙管理委員会に提出され、審査される予定です。
今日、8月6日は広島の原爆投下から78年です。12年前、私たちは福島第一原発事故という、語り継がねばならない新たな被爆の歴史を刻んでしまいました。
戦争に負けても、国の財政が破綻しても、食糧さえ自給していれば何とかなります。しかし、その最後の頼みの食料を作りだす土地と海が放射能で汚染されたならば、私たちの健康はありません。
いま福島の処理水を海へ放出しようとしているのは他でもない日本ですが、私たちは海を汚染するものの立場ではなく、汚染されるものとして、韓国、中国、太平洋諸島、オーストラリア、ニュージーランド、そして世界の人たちとともに反対の声をあげていきたいと思います。
原発の末路は二通り、事故か廃炉か、壊れるか壊すか、壊れる前に壊す。必ず廃炉にできます。