緑の党・東海

脱原発アクション

衆院選を反省:支えあう社会、対話する野党で来年の参院選に向かおう

緑の党会員のA.Niwaさんが、11月7日、小牧脱原発パレードで訴えたスピーチです。

海外メディアが不思議に思う、日本の有権者が気候危機に無関心

衆議院選挙は大変厳しい結果となりました。立憲野党は軒並み惨敗です。

なぜ気候危機が争点にならない?フランスTV取材に答える漢人明子さん

緑の党・東京都議会議員、漢人あきこさんが立憲民主党・前首相、菅直人さんの応援に駆け付け、ドイツの新聞社とフランスのテレビ局の取材を受けました。海外メディアの疑問は、「なぜ日本では原発と気候危機が政治・政策の争点にならないか」というものでした。「温暖化で北海道のおコメはうまくなる」という自民党・副総裁、麻生氏の発言も驚きをもって海外に報道されています。

欧州では毎週若者が気候危機を訴え、10月に行われたドイツの選挙の投票率は76.6%、若者の約3割が緑の党に投票したと言われています。気候危機に国境はありません。私たちの衣食住が破壊される前に、世界が協力してこれを食い止めねばなりません。

気候危機を理由に原発推進を押し進めようとする輩がいます。今回の選挙では自公政権の原発推進政策が明確となりました。しかし、原発は気候危機の解決策ではありません。「地球の生物と放射能は共存できない」そのことを私たちは常に肝に銘じなくてはなりません。

衆院選:立憲野党が惨敗、維新が議席増

選挙で最も得票を伸ばしたのは維新でした。維新と言えば前回の衆院選において維新公認・千葉県で立候補し、落選した長谷川豊候補の「自業自得の人工透析患者など実費負担にせよ。無理だと泣くならそのまま殺せ。今のシステムは日本を亡ぼす」というおぞましくも衝撃的な発言を思い出します。維新がいう改革とは、弱者の切り捨てに他なりません。

大阪では長らく続く大阪維新による政治とアベノミクスの新自由主義により格差が広がり、子供の貧困率が全国平均の13%を大きく上回り22%となっています。そんななか関西学院大学・冨田宏治教授によれば、維新の支持層は自分を勝ち組と考える中堅サラリーマンです。タワーマンションに住む彼らは、橋本徹に煽られ、社会保障費に頼る人びとを見下し、怨嗟と憎悪の対象としてしまったのです。

みなさん、これからの日本を支えあう社会へと育て上げるか、勝った・負けたのメリトクラシー、実力主義のまま、弱者切り捨ての格差社会のでよいのか。これからが正念場です。

野党共闘の今後ですが、共産党の志位和夫氏が継続を訴えたのに対し、立憲民主の党の枝野幸男氏は責任を取って辞任しました。今後のことはわかりませんが、若い人に引き継いでもらいたいと願います。

今回の選挙では一本化した217の小選挙区のうち62で勝利しました。一万票以内の負けは31です。立憲民主党が小選挙区で9議席増加したことは野党共闘の小さな成果です。投票率は前回よりわずかに上がって55.93%でした。しかし、立憲野党は比例区において苦戦しました。

支えあう社会でないと、気候危機に立ち向かえない

選挙の結果、自民・公明に維新を加えると、憲法改正に必要な数となってしまいましたが、選挙に勝っても負けても私たちにできることは「対話」しかありません。

政治家・候補者だけでなく、野党各党の支持者間の対話が重要であると考えます。

さて原発ですが、10月27日寿都町において町長選挙が行われ、核のゴミ処分場選定調査に名乗りを上げた片岡町長が当選しました。平日であるにもかかわらず、投票率は84%、1135対900票、核のごみ処分に反対する越前谷候補との差は235票でした。翌28日、核のゴミに一貫して反対してきた鈴木直道北海道知事は改めて反対の姿勢を示しました。

未配布のアベノマスク8300万枚、113億円分の在庫が残り、その保管費用が6億円と報道されるなか、寿都町が核のゴミ処分場調査により得られるお金は20億円です。わずか20億円のために町は分断されてしまいました。

社会の格差と分断をこれ以上深めて良いはずがありません。来年の参院選をひかえ、今が正念場です。

原発の末路は二通り、事故か廃炉か、壊れるか壊すか、壊れる前に壊す。必ず廃炉にできます。