緑の党・東海

脱原発アクション

世界の若者が、大量虐殺をやめろの声

緑の党会員のA.Niwaさんが、12/3 小牧脱原発パレードでスピーチしました。

アラブ・イスラム諸国、そして世界の若者が大量虐殺をやめろと声をあげている

 核大国ロシアがウクライナで戦争を続けるなか、もう一方の核大国アメリカがガザを殲滅しようとするイスラエルを軍事支援するという、とんでもない事態が進行中です。

 「どちらが勝つか」、「どちらの味方をすれば有利か」、そんなことばかり考えていて良いのでしょうか。世界の指導者は、戦争が終わった後の世界を何も考えていないように思えてなりません。

 第一次世界大戦が終結した日に当たる11月11日、イギリスのロンドンでは「ガザへの爆撃をやめろ、子供を殺すな」と30万人がパレードをしました。平和を望む人びとがロンドンの中心部を5キロにわたって練り歩きました。他方、サウジアラビアのリヤドではアラブ連盟とイスラム協力機構の緊急合同首脳会議が開催されました。アラブ連盟の21か国に加え、マレーシア、インドネシア、さらにアラブと対立するイラン、トルコなど56か国が集まりました。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は「比べようのない大量虐殺に直面している」と述べ、イスラエルの侵略を終わらせるよう訴えました。イランのライシ大統領は「アメリカはイスラエルの共犯者である」とアメリカを非難しました。トルコのエルドアン大統領はイスラエルに対し「賠償を求めるべきである」と主張しました。アメリカではZ世代の若者がイスラエルのジュノサイドを非難し、アラブ系アメリカ人はバイデン大統領の政治は「虐殺を助けている」と失望を隠しません。あろうことか、次期トランプ大統領の可能性がささやかれています。

こんなことが許されて良いはずがない

 11月15日、イスラエル軍は包囲していたシファ病院に攻め込みました。地下にハマスが隠れているというのがその理由です。病院は戦場となりましたが、医師は患者を見捨てることなく、とどまって治療を続けています。ガザの死者は1万6千人をこえ、行方不明者を含めたならばさらに多いことは明らかです。ハマスが隠れているからといって、こんなことが許されて良いはずがありません。

 24日カタールを仲介に、7日間の休戦が実現し人質の一部が解放されましたが、停戦には至りませんでした。粘り強い話し合いの継続を願います。

大洪水へと続く戦争の渦が迫っている

 ひとたび戦禍の渦に巻き込まれたならば、人は生きるために必死にもがくことしかできません。いま、ウクライナとパレスチナにおいて、2つの戦乱の渦が巻き起こってしまいました。20世紀後半の穏やかな流れはすでになく、大洪水へと続く大きな渦が目の前に迫っています。そのことを多くの人に気付いてもらわねばなりません。不正義を咎める戦争を認める人がいます。しかしながら、もしみなさんが関ケ原の合戦や第二次世界大戦を思い浮かべ、戦争によって平和が達成されると考えたならば、それは大きな錯覚です。私たちは今、さらに大きな戦争への入り口にいるのです。関ケ原の合戦ならば応仁の乱、第二次世界大戦ならば、第一次世界大戦の発端となったサラエボ事件、あるいは日清・日露戦争を思い起こすべきです。

 戦争を肯定し、軍備の増強によって平和がもたらされるという者に騙されてはなりません。軍事力など何の当てにもなりません。平和を求める諸国民とともに声を上げ続けるのみです。

幸か不幸か嘘が下手 はったりをかます器でない

 さて、岸田政権の支持率が30%を切りました。所得倍増、資産倍増、子育て予算倍増と唱えてきた岸田首相は、私たちが苦しむこのインフレを「チャンスに変えて、デフレを脱却する」などと言っています。軍事増税か軍事国債の発行かと、財政難を危ぶむ声が絶えないなか、今度は「税収が増えたので、減税で国民に還元する」などと言いだしました。これを聞いた鈴木財務大臣は11月8日、衆院財務委員会において、「税収の増加分はすでに過去の国債の償還に使ってしまった。減税するなら国債を発行するしかない」と減税政策に苦言を呈しました。

 岸田首相は安倍政権の政策を踏襲しているのですが、はったりをかます器でないというか、幸か不幸か安倍元首相ほど嘘をつくことがうまくありません。自民党にも見放されようとしています。何よりも「経済・経済・経済」と叫んでいましたが、岸田首相のいう新しい資本主義において「賃上げの原資は投資」だそうです。労働者の賃金や国家の財政を投資で賄うなどということは聞いたことがありません。投資とは余裕のあるものが余ったお金で行うものです。自公政権には想像力が足りません。

お金を稼ぐよりも食糧生産

 戦後しばらく1ドルは360円、ドルは金と同じ価値がありました。なぜそのようなことができたのでしょうか。それはアメリカが大量の金を保有していたからです。現在、為替相場において円安が進行していますが、日本の円はまるでドルであるかのように、私たちは世界中から食糧やエネルギーなど何でも買うことができます。なぜそのようなことができるのでしょうか。それは日本が大量のドルを保有しているからです。

 これまで日本は貿易で外貨を稼ぎ、稼いだ外貨で食料とエネルギーを買って暮らしてきました。ところがその稼ぐ力がなくなりつつあります。これまでに私たちが稼いだ外貨準備と対外資産があるので、もうしばらくは大丈夫ということですが、余裕があるうちに食糧の自給率を高め、外貨に頼らなくてもよい経済に変えねばなりません。

及ばざるは過ぎたるより勝れり 経済成長の「ありがたみ」はすでになくなった

 これから日本は1年間に生産年齢人口が約50万人(1%)減少します。20年で約1100万人(2割)の生産年齢人口が減少するのです。現在のGDPを維持するだけでも、20年後には一人ひとりが2割余分に稼がねばなりません。生産性を高めるとか、外国人労働者を増やすとか言っていますが、無理をして不幸になるだけです。

 経済成長が人を幸せにする時代もあったかもしれません。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。成長は地球の限界に達し、成長を求めれば求めるほど私たちは分断され、互いに対立し、環境を破壊するだけです。経済成長の「ありがたみ」はなくなってしまいました。徳川家康ではありませんが「及ばざるは過ぎたるより勝れり」です。

原発を止め原爆をなくす責任

 さて原発ですが11月22日、名古屋高裁において、原発避難者が国の責任を問う「だまっちゃおれん原発事故人権侵害訴訟」の控訴審判決がありました。岡本早苗原告団長は「責任を誰も取らない。そんななか原発が再稼働してゆく。こんな判断を残したまま終わることはできない。最高裁で必ずこの判決を乗り越える判断を勝ち取る」と決意を述べました。

 27日、国連、核兵器禁止条約、第2回締約国会議において日本被団協木戸季市さんは「原爆が人間を滅ぼすか、原爆を無くして人間が生き残るか、今が分かれ目だ」と訴えました。

戦争が渦なら原発は泥沼 エネルギー消費の小さな社会へ

 戦争が渦ならば、原発は泥沼です。経済成長を求めれば求めるほど私たちは原発に依存し、その泥沼から這い出ることができません。人口減少に逆らうことなく、経済を小さくし、エネルギー消費量の小さな社会を目指すべきです。原発にエネルギーを依存するリニア中央新幹線や高層ビルではなく、都市から地方へ、工業から農業へ、貿易立国から食料自給国へ、競争ではなく分かち合い支え合う社会へ、大きな変化が起きる予感がします。原発の末路は二通り、事故か廃炉か、壊れるか壊すか、壊れる前に壊す。必ず廃炉にできます。