- 投稿日:2020年09月30日
- カテゴリ:声を上げよう
緑の党の会員のA.Niwaさんが、 9月29日、市民アクション街宣@春日井駅で訴えました。
1. コロナ禍が財政に影響を及ぼすのはこれからである
「コンクリートから人へ」2009年の民主党政権のスローガンです。当時、財政再建と社会保障制度の改革は日本の最大の政治課題でした。あの時私たちは、このままでは日本が破産してしまう、そんな危機感から民主党政権を選んだのです。
新型コロナウィルスの感染拡大は、昨年12月中国武漢に始まり、今年4月緊急事態宣言が発せられ、日本中が身構えました。一年の予算が成立し、2月に私たちが確定申告を済ませた後、感染拡大は起きたのです。つまり今年はまだ大丈夫ですが、コロナ禍により日本の財政が本当の打撃を受けるのは来年からです。
「このままでは日本は破産してしまう」民主党政権を選んだ時の私たちの不安は安倍政権のもと何も解決していません。オリンピックと軍備の拡大に奔走してきた付けを払うのはこれからです。コロナ禍の今、国会も開かず「敵基地攻撃能力」などと言っている場合ではありません。自公政権に国民の暮らしは見えていません。
2. アベノミクスは経済三流の政治である
アベノミクスのもと本来独立であるはずの政府と日銀が一体となり、借金で借金を買う異次元の金融緩和が行われ、今も継続しています。
日本のGDPは、安倍首相の就任時494兆9500億円であったものが、退任時は557兆7000億円と12.7%増加しました。ところがこれをドル建てでみると、6800憶ドルから5150億ドルと25%も減少しています。つまり、アベノミクスの経済成長とは金融緩和という為替操作・円安によるものなのです。株価はこの7年で2.3倍となりましたが、これも金融緩和を行った日銀がその大株主です。さらに、日銀が保有する国債は今年3月で総額487兆円、これは日本の名目GDPに迫る勢いです。
かつて日本は「経済一流、政治は三流」といわれ、たとえ政治家が失敗しても、経済がしっかりしているから大丈夫とされてきました。しかし、アベノミクスにより経済も政治も三流となってしまったのです。それがアベノミクスの正体です。
3. 地球温暖化は現実の災害となりつつある
お金の借金はいざとなれば踏み倒すことができます。しかし、絶対に踏み倒すことのできない借金が2つあります。その1つは二酸化炭素排出による気候危機です。
南極には高さにして4800m、体積にして3000万立方キロメートルもの氷があります。この氷が全て融けたならば、海面は約70m上昇し、濃尾平野は海底に沈んでしまいます。大陸のない北極海では毎年大量の氷が融け、このままでは10年後、2030年の夏には北極の氷はなくなると言われています。
さらにグリーンランドには高さにして1500m、体積にして290万立方キロメートルの氷があります。これが全て融けたならば海面は6m上昇します。グリーンランドの氷は2012年から急激に融け始め、その融ける量は年々加速しているのです。
名古屋駅の標高をご存知でしょうか。わずか2mです。グリーンランドの氷が3割融けたならば、海面上昇により海岸線は名古屋駅に迫ります。現在リニアのトンネル工事が行われていますが、完全に水没してしまいます。遠い未来の話ではありません。
4. 原発に未来はない
踏み倒すことのできない借金の2つ目は核のゴミです。福島原発事故にもかかわらず、原発が次々に再稼働しています。日本の原発の多くは、30年から40年を経た老朽原発です。
スリーマイル、チェルノブイリ、福島と約30年のあいだに3回の大きな原発事故が起きました。原発は蒸気機関にすぎません。100年経て動いている蒸気機関車はあっても、100年経て稼働している原発はありません。どんな原発も必ず寿命が来ます。世界を見ても50年稼働した商業用原発はありません。原発を寿命まで稼働させることは自殺行為です。事故か廃炉か、壊れるか壊すか、壊れる前に壊さねばなりません。
原発から流れ出す汚染水により2022年には汚染水タンクが満杯となる見通しです。汚染水に含まれるトリチウムとは三重水素のことです。その正体は放射性の水です。
もうこれ以上放射能をつくってはなりません。核のゴミ、廃炉といった負の借金を背負って生きていくのは、今の中高生、これから生まれてくる若い世代の人たちです。
5. 新しい価値観へ
原発は20世紀の時代遅れの技術です。アメリカでは原発が次々に廃炉となっていますが、その理由は投資家からお金が集まらないからです。原発は儲からない技術です。儲からないどころか、子々孫々に放射能という借金を残す、亡国の技術です。
20世紀の価値観にしがみつき、いまだに五輪、万博、カジノ、リニアと経済成長を求める政治は限界です。大量のエネルギーを消費し、金儲けをして、豊かに暮らすことのできる時代は終わろうとしています。石炭火力発電や原発を続ければ続けるほど、国は貧しくなるばかりです。経済成長を求めれば求めるほど、私たちは幸せから遠のいてしまうのです。
日本は民主主義の国です。私たちの手で原発を止める議員を選び、原発を止める議会をつくり、原発を止めて未来を変えることができるのです。