緑の党・東海

政治塾

温暖化対策の最前線!学習会

2月2日、緑の党・東海も賛同団体になっている気候ネットワークから、伊与田昌慶さんを招いて、今、世界で最大の問題になっている気候変動について話を聞きました。 (文責:尾形慶子)

気候ネットワークとは、1998年に設立したNPO/NGOです。地球温暖化防止に関わる専門的な政策提言、国際交渉への参加、キャンペーンなど、多岐にわたる活動をしています。

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地球温暖化はどこまで来ている?

地球の気温は、このまま何も手を打たなければ今世紀末までに4.8℃上昇してしまいます。

産業革命以降、世界気温は約1℃上昇しており、熱波・洪水・干ばつ・ハリケーンなど、すでに大災害が頻発しています。

 

パリ協定を実現するために2018年12月のCOP24は何を決めたか?

2015年12月、COP21で日本・ヨーロッパ諸国だけでなくアメリカ・中国・サウジアラビアなど産油国もパリ協定に合意し、2016年11月に発効しました。「1.5℃未満」を目指すこと、そのためには2050年頃にはCO2排出を実質ゼロに、化石燃料はたとえ余っていても使えなくなります。2018年12月、COP24では、各国が国別約束(NDC)に係る情報を提供し、相互に確認し、行動を引き上げていく仕組みができました。最も重点を置くべきは脱化石燃料、とりわけ脱石炭の実現であることが示されました。日本の存在感はなし。今後日本は、自らの目標を引き上げ、脱石炭の長期戦略を位置づけ、途上国支援を強化し、G20でリーダーシップを取ることが求められます。

気候ネットワークのCOP24評価はこちら

 

私たちは何をすればいい?

それでは、ひとつぶの地球を守るために、私たちがしなければいけないことは

  1. 原発を使わずに
  2. 省エネルギー
  3. 脱石炭
  4. 再エネへシフト

1、原発を使わずに

温暖化対策のために原発を再稼働しようという議論がありますが、それはまったく間違っています。原発は、CO2よりもはるかに毒性の強い放射性物質で環境を汚染し、数万年も保管しなければならない放射性廃棄物を産出します。そして事故・災害の危険は常に存在し、そのたびに止めなければならない不安定電源です。パリ協定参加国のほとんどは原子力を温暖化対策に入れていません。日本でも2014年には、原発稼働ゼロのなか省エネと再エネでCO2排出を減らしました。

 

2、省エネルギー

エネルギー問題の解決のために、第一に行うべきことは、省エネルギー対策です。経済成長を追い求めるのではなく、環境を破壊せず資源を浪費しない産業と生活に社会を転換することです。その上で、省エネ技術や上手なマネジメントによって、さらに節電(ネガワット)か可能です。

 

3、脱石炭

化石燃料を2050年までにゼロにすること。特に、石炭火力は、「クリーンコール」と称する「高効率・低環境負荷」なものでも、天然ガスの約2倍のCO2を排出します。さらに石炭は、採掘時に環境破壊と劣悪な労働環境の問題を起こし、燃やせば人体に有害な大気汚染物質を排出し、燃やしたあとの石炭灰も環境破壊の原因になります。世界の脱石炭の潮流に逆行して、日本は石炭火力プロジェクトを国内で進め、海外に輸出しようとしています。反対の声を上げましょう。

 

4、再エネへシフト

電力の使用を100%再生可能エネルギーにするために、気候ネットワークの推進するパワーシフト・キャンペーンに賛同します。さらに私たちは、メガソーラーやプロジェクト型風力発電による環境破壊が起きないように、また、再エネ発電が市民の合意のもと地域の利益になるように見守ります。