- 投稿日:2019年06月19日
- カテゴリ:緑の党・東海の活動
6月17日に、愛知県議会議長宛てに、『愛知県農作物種子条例』制定に関する陳情を提出しました。
ポイントは:
1、主要農作物だけではなく愛知県独自の伝統野菜も含めた『愛知県農作物種子条例』の制定を県議会で検討して欲しい。
2、 将来にわたって種子の安定した生産・供給、品質確保を維持し、愛知県の豊かな農業環境を守るために
3、 条例文の作成にあたっては、パブリックコメントを実施させて欲しい
4、 各地域の気候風土に合った優良な種子の開発や安定供給のために立法された「種子法」
5、 十分な議論もないまま、2018年3月、種子法が廃止された。
6、 2017年8月『農業競争力強化支援法』が、都道府県の知見を民間企業に提供するよう求めている。民間企業が、それを使って新品種を開発し、それに特許をかければ、種子価格を高騰させ不当な利益を受けることもできる。もし、知見が海外に流出すれば、もともと日本で開発された技術を利用して、外資系企業が日本の市場を席巻する危険がある。
****陳情全文***
愛知県議会議長 殿
『愛知県農作物種子条例』制定に関する陳情
(内容) 愛知県において、将来にわたって種子の安定した生産・供給、品質確保を維持し、愛知県の豊かな農業環境を守るために、主要農作物だけではなく愛知県独自の伝統野菜も含めた『愛知県農作物種子条例』の制定を県議会に於いてご検討下さい。条例文の作成にあたっては、パブリックコメントを実施させ、県民の意見を聞いてください。
(理由) 主要農作物種子法(以下種子法)は、戦後、食糧を確保するため、主要農作物である稲・麦・大豆の優良な種子の生産と普及を都道府県に義務付ける目的で制定されました。種子法を根拠に国が予算措置を行ない、都道府県は各地域の気候風土に合った優良な種子の開発や安定供給に努め、日本の食糧を支えてきました。ところが2017年11月、政府は種子法の廃止を宣言し、十分な議論もないまま、2018年3月、種子法を廃止しました。
一方、2017年8月に施行された『農業競争力強化支援法』では、都道府県の開発した品種や育種技術といった知見を民間企業に積極的に提供するよう求めています。民間企業が、それを使って新品種を開発し、それに特許をかければ、種子価格を高騰させ不当な利益を受けることもできます。もし、知見が海外に流出すれば、もともと日本で開発された技術を利用して、外資系企業が日本の市場を席巻する危険もあります。
このような危惧に対し、愛知県議会は他に先んじて2017年12月、国に対して「法の廃止により、都道府県の取組みが後退する事の懸念や特定業者による種子の独占によって弊害が生じるおそれがある」との意見書を提出されてました。そして、愛知県農林水産部では、種子法廃止以前と変わらない体制を維持すべく、2018年4月に要綱を制定しました。ただし法的拘束力のある条例化をしていません。これでは民間企業の独占を免れる保障はありません。また愛知県独自の伝統野菜も、安価で安定的に生産できるとは確証できません。
他県では、種子法に代わる条例を次々制定しています。新潟県、富山県、兵庫県、山形県、埼玉県、北海道、岐阜県、福井県、宮崎県が種子法に代わる条例を制定、また長野県、滋賀県が条例を準備中です。愛知県でも独自の条例を制定して、全国の都道府県と連携を保つ必要があります。以前は種子法の下で、各自治体の種子の生産計画を相互に付き合せて全国種子計画が作られていました。また、新たな種子の開発についても、情報が共有され、全国的に種子を安定供給する制度が機能してきました。愛知県は、主要農作物だけではなく愛知県独自の伝統野菜も含めた『愛知県農作物種子条例』を制定し、先進的な農業県として、愛知県民の健康と自然環境を守ることが求められます。 以上
2019年6月17日
団体名 緑の党グリーンズジャパン東海本部
代表者名 尾形 慶子 ㊞