緑の党・東海

脱原発アクション

貿易立国から食料自給国へ 脱原発はその第一歩

A.niwaさんの週刊金曜日への投稿を共有します。

貿易立国から食料自給国へ 脱原発はその第一歩

アジアの原発に目を向けると、韓国には24基の原発があり、1基が建設中、6基の建設計画がある。中国には58基の原発があり、44基が建設中または建設承認されている。世界には400基を超える原発がある。

工業化と進歩の時代、「効率は潜在的危険に優る」という価値観のもと、人類は効率を求め原発を推進してしまった。そして福島第一原発事故で「潜在的危険」は現実のものとなった。この悲劇的な原発事故にもかかわらず、人類がいまだに原発を諦めないのはなぜだろうか。米国の文明評論家ジェレミー・リフキンさんによれば、「それは、末期を迎えた『進歩の時代』において、効率が依然として道徳上の最高の基盤であり続けている」からであるという。5年前、新型コロナウイルスが流行した時、多くの科学者が、「コロナの流行が終わっても、元の社会に戻ることはない」と言っていた。この言葉を裏付けるように、コロナ後の世界はインフレに見舞われ、ウクライナ、パレスチナ、イランで戦争が起きた。

日本においてもデフレ経済が終わり、昨年から今年にかけてコメ不足ある。コメ不足によって明らかになったことは、私たちの豊かな暮らしを支えているのは、自動車、半導体、AI(人工知能)といった工業製品ではなく、コメ、卵、牛乳といった食料品であるということだ。

たとえば、マイクロソフトのビル・ゲイツさんは資産の99%を寄付すると言っているが、他方で全米の農地を買い漁り、約11万ヘクタールの農地を所有する、米国で最大の農場主である。これからの時代、「カネよりも食料」ということを直感的に察知しているのであろう。

「コスパ」、「タイパ」といった効率は過去の価値観である。食料を作るよりも自動車や半導体をつくった方が、おいしいものを食べることができる。そんな時代は終わろうとしている。貿易立国から食料自給国へ日本の国の在り方を変えねばならない。脱原発はその第一歩だ。

参考ビル・ゲイツいつの間にか米最大の農場主に。イモ畑デカすぎて宇宙からも見える | ギズモード・ジャパン 

……効率が未知の将来の潜在的危険に優るという基本姿勢を取っている。それは、末期を迎えた「進歩の時代」において効率が依然として道徳上の最高の基盤であり続けている明らかな表れだ。ジェレミー・リフキン 『レジリエンスの時代』 p133