緑の党・東海

脱原発アクション

政治家の言葉が嘘であるとしか思えない


(A.niwa さんが、週刊金曜日10月1日号に掲載された文章です。)

フェイクニュースが氾濫し、何が真実なのかわからない時代である。今回の自民党総裁選において、そのことを改めて痛感している。

東京電力福島第一原発事故の後、原発に反対する河野太郎氏が頼もしく見えたときもあった。しかし総理大臣をめざす彼を見ていると、全く別人ではないかと自分の眼を疑いたくなる。

岸田文雄氏は森友学園問題の再調査について、9月2日にはテレビ番組で「調査が十分かどうかは国民が判断する話だ。国民は足りないと言っているわけだから、さらなる説明をしないといけない。国民が納得するまで努力することが大事だ」と発言していた。しかし、6日夜のインターネット番組では「再調査をするとか、そういうことを申し上げているものではない」と語った。政治家の言葉を真に受けないで下さい、という意味か。さらにエネルギー問題について、原発の再稼働を進め、核融合の国家戦略を策定するのだそうだ。

高市早苗氏に至っては、小型の原子炉研究開発に大型投資をするという。電力出力100万㎾の原子炉に代わって、1万㎾の原子炉を100個作ろうというのだろうか。核分裂によって生じる核のゴミをどうするのか。

すでに破綻している政府の核燃料サイクルについて何も言及することなく、核融合とか小型原子炉とか目先を変えて提案することにより、解決困難な問題について、言葉で有権者に夢を持たせながら、解決したかのように思わせることは簡単だが、実際には現実の問題を何も解決していないことは明らかだ。

政治家の言葉が信じられないどころか、どう考えても噓であるとしか思えないのはなぜか。それは政治家に実際の国民の暮らしが見えていないからである。