緑の党・東海

政治塾

第4回 政治ギャザリング「民主主義」

いとうえりこさん作の天使がテーブルを飾ります

緑の党会員・油田陽一朗さんたちが、1月27日にVOLVOX(津)にて、暮らしと政治を語り合う「政治ギャザリング」通算4回めを開きました。今回のテーマは、ズバリ、「民主主義」について。

 

固い話題か!と思いきや。オープニングアクトとして作曲家の大谷清文さんのピアノ演奏を聴いて、ほっこりしたところで、政治ギャザリングが始まりました。円卓を5人のスピーカーが囲み、その回りを参加者が取り囲む形もいいです!ブレイクタイムにカフェ「えんがわ」の美味しいスイーツと飲み物を味わいながら、さらにおしゃべりが進みました。

 

主催者の1人グットマン佳子さんのレポートと、参加者の楠谷さゆりさん(松阪市議)が寄せた感想をどうぞ。

*ちなみに第1回 第2回 第3回政治ギャザリングはこちら。

 

****主催者・グットマン佳子さんのレポート****

1月27日volvoxにて、4回目の政治ギャザリングを開催しました。

ひぐち龍馬四日市市議、グットマン ティエリー教授、楠谷さゆり松阪市議、岩脇圭一津市議ほか

当日は、40名の参加者がありました。参加者の中には、四日市、津市、松阪市の市議会議員3名、国会議員1名も含まれ、この議員のみなさんにも、一参加者としてざっくばらんに対話に加わってもらいました。

 

民主主義って何?人民の、人民による、人民のための・・・

まずはゲストとして来てもらった、三重大学人文学部教授で政治学博士のグットマン ティエリー先生の自己紹介と、民主主義の定義について簡単に説明がありました。
実は、研究者の中でも民主主義の定義は明確に決まっていないので、一般によく知られている、リンカーンの言った「人民の人民による人民のための政府」の人民を国民に変えればいいでしょうということでした。

その後、司会の油田さんから、今回政治ギャザリング初の試みであるリレートークのルール説明。一度の発言は一分程度、センターテーブルに座っている5人以外は聞き役に徹する。司会者がタイミングを見てメンバーを他の参加者と入れ替えます。
そして、トーク開始。
まずは、司会の油田さんから民主主義が上手く行く一つの要素として有権者が政治に関心を持っていることだと思うけれど、どうも政治への関心は低下しているようだ。そんな背景からか、上手く行かない民主主義よりも軍事政権のほうが物事が進んでいいんじゃないかというような意見が一部で出てきているが、これに対してどう思いますか、という問いかけがなされました。

 

 

独裁政治 vs 民主主義(=衆愚政治)?

なにぶん複数の人間が、ルールを守りつつも思い思いに話すので、時に前の人の話を受けての会話になってないなとか、言葉の理解がかみ合ってないかな、とか、テーマとずれてる、なんてこともありましたが、私なりに前半部分の対話をまとめると。
独裁政治なんてとんでもないと、一蹴した上で、民主主義をどう機能させるかという話になるかと思いきや、意外に、優秀な独裁者と、民主主義、どっちがいいのだろうってテーマで対話が続きました。
これは今の日本の現状が民主主義と呼ぶならば、あまりにも自分たちの意見が反映されていると実感できないので、どこから手を付けたらいいのか途方に暮れている参加者の人達の心理状態が反映されたのではないか、と思います。
ただ、問題は、独裁政治v.s.民主主義(=衆愚政治)という比較になってしまったため、なんだか独裁政治に分がある展開となってしまいました。
独裁政治は独裁者が人格者で優秀であれば理屈上は必ずしもとんでもない結果にはなりませんが、衆愚政治は常にとんでもない結果になりそうだからです。

 

思想をコントロールされた衆愚政治(ポピュリズム)は危険

が、休憩に入る前に、会場から、衆愚政治は無批判にどこかから与えられた意見や思想に皆が流されるような状況だから健全な民主主義とは言えない。衆愚政治は、民主主義の建前こそとっているが、実質は思想をコントロールする一部の権力による独裁政治の一種と考えるべきで、これをもって民主主義と考えてはいけない。このギャザリングのように、異なる立場の人が集まり、対話をし、考える場が確保されていることが民主主義の大前提だという指摘があり、民主主義が勢いを盛り返して前半終了。

ここで美味しいお菓子とコーヒーをいただきながら、しばし休憩。といっても、センターテーブルに座った人、座らなかった人混じって話が弾みました。

中川正春衆議院議員ほか

後半は、議員方4名にグットマン先生、司会の油田さんで対話が再開されました。

 

多数の壁、行政の壁、議員も楽じゃないよ

各議員があるべきだと考える民主主義の形や、現場で活動しながら感じている民主主義の現状について、話してもらいました。なるほど、と改めて思ったのは、選挙という多数決を勝って議員になっても、市長と異なり議員は合議体の一構成員にしかすぎないので、何かをしようと思えば議会で過半数を得なければならず、再度多数決の壁にぶつかるということが分かりました。市長と比べて議会に機動力がないのは当然と言えば当然です。
ゲストのグットマン先生からは、フランスなどは、地方議会は完全比例選挙で、かつ制度的に第一党が議会で過半数以上の議席をとるように設計されており、その上議会の第一党が市長を出すことになっているので、議会と市長がねじれることはなく、議会で議席の過半数を割ることもないため機動力は抜群だという指摘がありました。
次に、議会での多数派形成の他に、中央からの補助金の交付条件によって判断の幅を限定されているという点も議員の皆さんは訴えられました。
民主主義の学校と言われる地方自治ですが、なかなか伸び伸び成長できる環境ではないということが、議員さん達の本音トークからうかがえました。
ただ地方議員の選出方法などは憲法に定められているため、他の国の仕組みが良さそうだからとそう簡単には変えられないので、現状の仕組みの中で議員の皆さんは他の市町村と協力したりして地方の権限の拡大に努めているということでした。

ここからまたまた一般の参加者がセンターテーブルにつきました。
議員の方たちの地方自治の現場での活動の話から翻って、それでは市民一人ひとりは身近な政治に関心を持ち参加しているのかという言う話になりました。

 

政治は他人事なのか?

地元の身近な街づくりに関わっている人達からは、関わりたいという意識を持たない人が多く、この背景には、政治に関わることは面倒だしみんなのために頑張ることはあまり格好いいと思われていないという指摘がありました。地方自治の話ではありませんが、弱者のための制度なども、自分がその立場になるまでは多くの人は他人事と思ってしまっているという指摘もありました。
ただ、これに対して裁判員制度を例に、一端くじで選ばれた市民は他人事に真剣に向き合っており、今の人達の多くが自分の直接の利益についてしか関心を持てないわけではなく、くじ引きの要素を選挙に取り入れるなどして、制度が整えば潜在的に政治について関心を持ち考える能力を多くの人が持っているはずだという指摘もありました。

この様な形で終わった脚本の無いリレートークでしたが、初めての試みとしては、特に民主主義というざっくりしたテーマ設定にも関わらず上手く行ったのではないかと思います。
特に、民主主義を選択するのであれば、一定の意見に誘導される衆愚政治に陥らないために、政治ギャザリングのような対話の場が日常に存在していることが大切とあらためて感じました。

リレートークの3時間はあっという間でしたが、ギャザリング閉会後も、しばらく会場では賑やかな雑談が続きました。

 

****参加者・楠谷さゆり松阪市議の感想****

 

地方は、財政面でも中央から独立を!地方から民主主義を!

 

今日は油田陽一朗さん主宰の政治ギャザリングに参加🌟🌟🎶テーマは民主主義について😆
写真は始まる前だけど、丸テーブルにまず5人がついて、その周りにぐるっとリスナーが同じく円形に何重かに椅子を並べる感じ。この形態がまず面白い!しかも45人も参加🎶
そして、井戸端会議みたいに5人で話す。他の人は意見は言えない。しばらくすると井戸端会議チームは交代。その新しい5人で今度は喋る、、、初めての形式で皆んな面白かったと思う。

最初はフランス人で三重大学政治博士のグットマンさんの「民主主義の定義はない」から始まった、、、
司会の油田さんが一番気を使うのかも😅喋りたい人はたくさん喋りたいし(笑)
でも、こんなテーマでたくさんの人がたくさん喋る、って油田さんの雰囲気作りの上手さに脱帽です!

ちなみに、私も途中テーブル席につかせてもらいました😃市政の現場で最近思うこと?だったので、地方政治が中央からもう少し独立するのが理想的、財政面でも地方にもっと資金の自由が欲しい、民主主義は地方からもっと盛り上げたい旨のことを、例を上げて話しました(つもり💦)。
松阪でもこんなギャザリングがやれるといいなぁ💪

 

****次回の政治ギャザリングは4/21(日)****

ご予定ください!