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全国の若者16人が 日本で初めての気候訴訟

8月6日、深刻化する気候変動を食い止めようと、東京電力・中部電力が半々出資する(株)JERAなど大手電力会社10社を相手取り、温室効果ガス排出の差し止めを求め、全国の若者16人が名古屋地裁に提訴した。日本で初めての若者気候訴訟である。

気候訴訟は2001年から盛んになり、世界では2023年までに2666件の訴訟が提起された。今年はこの半年で300件を超える訴訟が起こされている。2021年、オランダハーグの地方裁判所はシェルグループに対し、2030年までに2019年比でCO2の排出量を45%削減するよう命じる歴史的判決を言い渡した。

地球沸騰化といわれるように、昨年から大気の温度は顕著な上昇を記録している。科学者は今世紀末までに最悪の場合、気温が約4℃上昇すると警告している。気温はこれまですでに1.4℃上昇しているので、今後平均して3年で約0.1度の割合で上昇することを意味する。今年65歳の人は80歳までに約0.5℃上昇するだけだが、今年生まれた人は60歳までに約2℃上昇するのである。気候危機は遠い将来の話ではなく、現実の人権侵害だ。

JERAは「不可能を可能にするCO2の出ない火」をつくると盛んに宣伝している。しかしこれは「嘘」。見せかけの環境対応「グリーンウォシュ」である。さらに、JERAは「2050年、CO2排出ゼロに挑戦」ともいっている。この挑戦が本気であるならば、裁判所は遠慮することなくJERAに対し「CO2排出をゼロにしなさい」と命令すべきだ。