緑の党・東海の運営委員会として、大村愛知県知事が設楽ダム建設を容認したことについて抗議します。
【声明】大村愛知県知事の設楽ダム建設容認に抗議する
2013年12月 23日 緑の党・東海 運営委員会
大村秀章愛知県知事は、去る12月18日、豊川水系の設楽ダム計画について、国交省に対して、「特段の意見はない」と回答し、建設を容認する態度を表明しました。私たちは、知事のこの態度表明に対して、豊川水系および三河湾の自然環境および生態系を守ろうとする多くの愛知県民の期待を裏切る行為として、強く抗議します。
大村知事は、2011年の知事選において、河村たかし名古屋市長選候補との「共同マニフェスト」の「10大環境政策」の中で、「集水域管理をベースに、河川の自然再生を進める事業に取り組む」と公約し、昨年の夏以降、「通称:とよがわ流域県民セミナー」と称して、「設楽ダム連続公開講座」を知事主導で開催してきました。公開講座は、第1回「とよがわ流域ってなに?」からはじまって、設楽ダムが自然や財政に与える影響を様々な観点からテーマにして、本年11月まで8回に渡って開催され、今後の継続も予定されていました。講座の運営は、傍聴者のフロアからの発言を認めるなど斬新的なもので、参加した多くの県民が、こうした試みから新しい政策展開がされるものと、期待を膨らませていました。その矢先の、大村知事の設楽ダム建設容認表明は、こうした県民の期待を大きく裏切ったのです。
大村知事は、建設容認に至った理由の一つとして、今夏の渇水騒ぎを挙げていますが、渇水の原因が、豊川水系流域での観測史上最少の少雨によるものであることは統計上明らかです。流域に降雨がなければ、いくらダムを造っても水は溜まりませんから、知事の言い訳は詭弁としか言いようがありません。
いまや公共事業としてのダム(特に多目的ダム)不要論は、あらためて論じるまでもありません。豊川水系においても例外ではなく、治水、利水、水質・地質や生態系、そして三河湾への影響について、「設楽ダム連続公開講座」において様々に議論がされ、ダム建設以外の対策や、ダムが存在することによるマイナスの影響が明らかにされ、あるいは、明らかにされる過程にあったのです。さらに、愛知県債発行残高が4.5兆円に達する中で、本当に必要な公共事業であるのかが、徹底的に議論されなければなりません。
私たちは、大村知事に対し、設楽ダム建設容認の撤回を求め、「公開講座」をさらに継続して、より多くの県民の声を聞き、「マニフェスト」の「10大環境政策」の精神に立ち戻って、真に河川の自然再生を実現する政策を推進することを強く求めるものです。
以上