緑の党・東海

脱原発アクション

自民党だけで三分の二:傲慢な政治を覚悟か

会員のA.Niwaさんが小牧脱原発集会でスピーチしました。

自民党だけで三分の二の議席

2月8日、衆院選において、立憲野党は軒並み惨敗しました。自民、維新の与党は352議席、自民党だけで316議席、三分の二以上の議席を得る結果となってしまいました。共産党は東海比例で議席を失い、脱原発と安保法制廃案のため尽力してきた愛知三区の近藤昭一議員も落選してしまいました。

統一教会との関係を解明しないまま、政治資金収支報告書の不記載・虚偽記入、いわゆる裏金議員が当選し、高市首相は裏金議員に対し「全力で働いてもらう」と責任追及は終わったかのような発言をしています。当選すればどんな悪事も帳消しとなる。それが長らく与党に安住してきた自民党の価値観です。選挙で多数となれば何をしても良い。それが維新の価値観です。

自民党と維新の連立合意書・公約には、安保3文書の年内改定、武器輸出の規制撤廃、スパイ防止法の制定、国旗損壊罪の創設、自衛隊における旧日本軍の階級呼称の復活、軍事産業の一部国営化などが書かれています。

傲慢な政治を覚悟せねばならない

選挙前、内容を明らかにせず「国論を二分するような大胆な政策」を行うと、白紙委任状を要求していた高市政権が、衆議院において絶対的安定多数を手に入れてしまいました。これまで以上の国会軽視、行政権力の肥大化、そして閣議決定を連発する傲慢な政治を覚悟せねばなりません。2月9日の記者会見において「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。国の未来をしっかりと見据え、改正に向けた挑戦も進めていく」と述べています。

物価高対策と軍事費の増額は両立不可

多くの有権者が高市政権に期待したものは物価高対策です。物価高対策と軍事費の増額は二律背反、両立させることはできません。軍備を増強すればするほど、軍事産業にカネをつぎ込めば注ぎ込むほど、私たちの暮らしは貧しくなります。消費税の減税をしても、財源がなければ医療、教育、介護など社会保障費、行政サービスを切り詰めねばなりません。財源を赤字国債に頼れば、日本国債の価値が低下し、金利上昇と円安が進み、物価高となって私たちの暮らしにはね返ってきます。

円安容認は危険

なぜ若者は高市政権を支持するのでしょうか。その理由の一つは、長らく続いた低金利と政府が進めるNISAの影響で、若者の多くが金融資産を保有していることにあるといわれます。金融資産の多くは海外に投資され、円安が進むと円に換算した海外資産の金額は膨れ上がるのです。つまり、海外資産に投資するものにとって低金利と金融緩和のアベノミクスを継承する高市政権は歓迎というわけです。

衆院選において、中道は消費税減税の財源として「政府系ファンドの運用益」を掲げ、高市首相は、円安は「外為特会(外国為替資金特別会計)の運用で、いまはほくほく状態」と発言していましたが、これは大変危険な考えです。

日本は食料を海外に依存する貿易赤字国

かつて貿易立国であった日本は海外からエネルギーと原材料を輸入し、工業製品を海外に輸出して外貨を稼ぎ、その稼いだ外貨で食料を購入することができました。円安になれば外貨を稼ぐ輸出企業が利益を得ることができ、円高となればエネルギーと食料を安く購入できる。円安になっても円高になっても日本社会全体としてはプラスマイナスゼロ、損も得もないという経済が成立していたのです。ところが今、日本は稼ぐ力を失い、食料を海外に依存する貿易赤字国です。円安は食料インフレとなって私たちの生活を直撃します。

ハゲタカ・ファンドが、日本の巨額の資金を狙っている

大企業は私たちに支払うべき賃金を支払わず、内部留保を貯め込み、その多くは国内に還元されず、海外に投資されています。海外投資は本当に「ほくほく」なのでしょうか。昨年度、化粧品会社の資生堂は406億円の赤字を出し、2年連続の赤字です。原因はアメリカの新興ブランドへの900億円の投資の失敗です。広告大手電通は3276億円の赤字を公表しました。電通の赤字は3年連続、過去最大です。原因はM&Aによるアメリカ、ヨーロッパなど海外企業への投資の失敗です。世界ではハゲタカ・ファンドが、日本が貯め込んだ巨額の資金を狙っているのです。

政治も経済も危うい状況

さて、高市政権が目指す改憲ですが、それほど容易ではありません。自民党の得票率は36%、全有権者に占める割合は約2割です。そしてなにより、参議院において立憲と公明が賛成しないかぎり憲法改正は不可能です。

次回の参院選は2028年の夏です。今後高市政権は、スパイ防止法の制定をはじめとして大々的な改憲キャンペーンを行なってくるに違いありません。しかし、高市政権の経済政策は脆弱です。海底のレアアースを含む泥を引き上げ、「日本はこれからレアアースには困らない」と言っていますが、今年後半から在庫が尽き、日本はレアアース不足に陥る可能性があります。その影響は日本経済を揺るがす危機となるかもしれません。「日本を強く豊かに」というスローガンとは裏腹に、日本が軍事的に強くなればなるほど、私たちの食生活は、円安と防衛増税により、増々苦しいものになることは間違いありません。政治学者の杉田敦さんの言葉を借りれば、高市政権を止められるのは世論の不満の高まりである。しかし、「裏を返せば、人びとの不満の高まりに期待をかけなければならないほど政治も経済も危うい状況だということです。」

福島第一原発事故から15年

さて原発ですが、福島第一原発事故から15年が経過しました。2月9日、柏崎刈羽原発6号機が稼働し、再稼働した原発は15基。さらに、泊3号機、柏崎刈羽7号機、東海第二原発が再稼働に向け準備中です。他方、福島第一原発事故の処理費用は、2011年6兆円と見込まれていたものが、13年には11兆円、16年には21兆5千億円、23年には23兆4千億円と膨らみ続け、これまでに国が交付国債などを通じて注ぎ込んだ費用は、少なくとも15兆4千億円にもなっています。この財政負担はやがて税金や電気料金として、私たちの家計に重くのしかかってくることは間違いありません。

3年連続大赤字の東電

3年連続大赤字の東電は、今年1月、再建計画となる第5次総合特別事業計画を発表しました。それによれば東電の力だけでは再建は不可能であり、柏崎刈羽6、7号機が再稼働しても「抜本的な改善にはつながらない」と東電自身が認めています。そして「最も有力かつ実効的な選択肢」として、他の企業との大規模な提携により事業再編を行う方針を打ち出しました。今年3月末と期限を切り、東電と協力する提携企業や投資ファンドの募集を現在行っています。

みなさんどう思いますか。そんな募集に応募する企業があるでしょうか。東電が最も当てにしている有力な提携先は中電かもしれません。中電が浜岡原発の基準地震動の捏造を公表したのは、東電に対する提携拒否の意思表示ではないかと勘繰りたくなります。原発は国策ですが、電力会社も、実は乗り気ではないのではないかと邪推したくなってしまいます。

安全審査そのものが形骸化

その中電ですが、浜岡原発の基準地震動の捏造について「あり得ない数値になるのを避けたかった」と説明しています。「あり得ない数値」とはどういう意味でしょうか。「あり得ない数値」とは原発の耐震設計を上回る数値、原発を破壊するような地震の揺れを示す数値です。はじめから原発再稼働を前提に、電力会社にとって都合よく基準地震動をはじき出していたことを認める証言です。さらに、驚くべきことは、基準地震動を算出するデータが存在せず、規制委員会は、基準地震動の根拠を確認せずに数値を鵜呑みにしていたことが明らかとなりました。安全審査そのものが出来レースのように形骸化していたということです。あきれて言葉がありません。

私たちは目撃者

さて昨日、2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃しました。また一つ戦争が起き、さらなる拡大が懸念されます。イスラエルのネタニヤフ首相はイランに対し「核の存在の脅威を取り除く」「作戦は必要な限り続く」と述べています。万が一戦争が長引いた時、石油に依存する日本経済は大丈夫なのでしょうか。戦争が拡大し、アメリカが自衛隊に協力を求めてきた時、日本政府はなんと答えるのでしょうか。民主主義は万能ではありません。とんでもない指導者を選べば、とんでもない事態になるという教訓を歴史に刻みました。私たちはその目撃者です。

原発の末路は二通り、事故か廃炉か、壊れるか壊すか、壊れる前に壊す。必ず廃炉にできます。