緑の党・東海

脱原発アクション

コロナ禍で証明された日本の永続敗戦

緑の党の会員のA.Niwaさんが週刊金曜日6月4日号に寄稿した文章です。

コロナ禍で証明された日本の永続敗戦

昨年4月、緊急事態宣言が発せられたが、幸い欧州や米国で見られたような感染者が3日で倍増するという感染爆発は起きなかった。

この時、麻生財務大臣は「民度が違う」と自慢したが、「民度」とは、戦前日本が植民地支配したアジアの人々を差別するために作った和製漢語である。給付金が閣議決定されたとき、当時の安倍晋三首相は「海外と比べ見劣りのしない対策ができた」と説明したが、国民の暮らしを直視していないのである。その後、「8割おじさん」と呼ばれた専門家会議の西浦博教授が政府の頭越しに、国民に直接呼びかけたが、専門家会議は突然解散、国会も開かず、新たに政府の政策を追認する分科会がつくられた。

菅政権へと代わり、昨年末から年始にかけてGoToキャンペーンにより、早い者勝ちに会食と移動が促され、さらに「勝負の3週間」にはマスクをしながらの会食が提案された。もはや、科学と国会を軽視する自公政権には国民の暮らしが見えていないことは明らかである。

5月、菅首相は「五輪開催は国際オリンピック委員会(IOC)が決める」と言い放ち、無責任はここに極まったといえる。これに対しNYタイムズはサッカーの元米五輪代表で米パシフィック大学ジュールズ・ボイコフ教授のコラムを掲載し、「科学に耳を傾け、危険な茶番劇を止める時だ」と五輪中止を勧告した。

はたして今の日本の状態を主権国家と呼べるのであろうか。まさに白井聡氏の「永続敗戦論」がコロナ禍により証明されたという思いだ。このままでは再び「一億総懺悔」が待っている。それだけは御免である。