緑の党・東海

政治塾

緑の党・東海がフランスの新聞「脱成長」に載りました

decroissance ロゴ緑の党・東海代表の尾形慶子さんが、リバプールの緑の党世界大会の帰りにフランスのリヨンに立ち寄り、脱成長La Décroissance という名前の新聞のインタビューを受けました。 http://www.ladecroissance.net/

decroissanceインタビュー記事インタビューの内容は次のとおりです。

インタビュー
聞き手:新聞La Décroissance (脱成長)
話し手:尾形慶子(緑の党・東海代表)

<La Décroissance (脱成長) : あなたは、日本にある緑の党の代表の1人ですね。あなたは、どんなことをしていますか?>
Keiko Ogata : 私は脱原発などのために働いています。私たちは、日本で原発の再稼動を止めることを目指しています。日本の原子力規制委員会は、40年過ぎた原発の寿命を例外的に伸ばすことを認めています。しかし、現在、この例外がお決まりになってきています。3機の古い原発の延命が認められました。私たちは、この延命が違法であると裁判を起こしています。

<緑の党は、日本で大きな勢力ですか ?>
1億2700万人の国なのに、たった1000人です。会員500人、サポーター500人。(自治体議員は50人)私自身は、福島原発の事故のあとに参加しました。この事故が私の意識を変えました。成長か脱成長かを考えるようになったのは、緑の党に入ってからでした。もともと日本人の考え方の柱は脱成長です。今は、緑の党だけが脱成長に向けて運動しています。福島事故のあと共産党も脱原発になりましたが、いぜんとして成長を目指しています。そこが私たちと違うところです。多くの日本人はあのような大事故のあとでも、まだ成長への夢を忘れていないのです。

<かつて、セルジュ・ラトゥーシュは日本を旅行したあと、日本人は歴史的に、脱成長を自然に行っていたと言いました。どう思いますか?>
200年前、日本人は脱成長を実践していました。その後、近代化、生産主義、産業革命の時代に、日本人は素晴らしい勤勉さを発揮しました。大変、生産性の高い労働者でした。働きすぎでした。そのうち、緑の人たちをはじめ、間違いに気づく人たちが現れたのです。数はまだそう多くありませんが、先駆者といえるでしょう。今日、日本の経済は落ち込んでいます。省エネ技術がさまざまな製品に取り入れられています。自動車、洗濯機などなど。日本人と日本の経済は、望むと望まざると、資源の浪費を減らし、ある意味、脱成長の方向に行っています。緑の党は、脱成長を受け入れ、それを生かして社会を作ろうとする唯一の政党です。政府や多くの国民は、もう成長できないという現実に、立ち向かおうとしていないのです。

<このような危機から脱することは、生活レベルの犠牲なしに可能でしょうか?>
脱原発のための第一の策は、節電です。私たちは、福島事故のあと、原発がなくても生活できることを知りました。日本のすべての原発が止まったのです。そのときは電力規制があったのですが、おかげで原発なしでもやっていけることが証明されたのです。今でも福島には、立ち入れない地域があります。たとえ廃炉にしても、本当の解決は終わりません。もっとも大事なのは、2度とこのような事故が起こさないことです。誰もが原発を減らさなければならないと言います。政府・自民党は、原発による電力の割合を30 % から 20 %へ減らすと言います。最大野党は、2030年代までに原発ゼロにすると言います。私たちは、ただちに原発ゼロ、1機も稼動すべきでないと主張しています。

decroissance201704号<禅僧の小池龍之介の「貧乏入門」が100万部のベストセラーとなりました。世の中が変わってきているのでしょうか?>
若い世代が新しい価値観を求めた結果、日本の昔の価値観を見出したのです。「古き良き時代」です。若い世代は、高度成長の経験がありませんし、経済成長を謳歌することもないでしょう。私たちの世代は高度成長を甘受しましたが、同時に、昨日より明日、少しでも上に行こうと常に競争する時代を生きてきました。

<フランスで脱成長の運動をする人は、デジタルの影響力増加、それによる人間関係の悪化を糾弾します。あなたの国では、科学技術はどう思われていますか?>
脱成長を語るとき、科学技術を悪者とあまり考えません。新しい技術が私たちの運動を助けてくれることがあります。(インターネットは、無料で情報拡散する手段を与えてくれました。)ヒッピーのような生活を目指している訳ではありませんが、かと言ってハイテク生活が良いとも思いません。ただし、科学技術の中でも、たとえば、遺伝子組み換え技術や、食品などに含まれる化学物質の使用には反対しています。有機農業やオーガニック食品、また、自然と共存する生活を広めようとしています。地域に根ざした再生可能エネルギーへのシフトも目指しています。科学至上主義ではありません。たとえば、私たちは、森を大規模に伐採するメガソーラー建設には反対しています。#緑の党